こんにちは、ぽにょです。
「得意なことと苦手なことの差が激しい。」
「他の子に比べて発達がゆっくりな気がする。」
など、子どもの発達が気になるという保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもの得意・不得意などの発達のバランスを知るための検査のひとつとして、
WISK-Ⅳ(ウィスク-フォー)という【知能検査】があります。
- 知能検査とは何か
- WISK-Ⅳとはどんな検査なのか
- 検査で何が分かるのか
- 検査を受けるメリット
知能検査って何?何のためにやるの?
知能検査とは、
個人の特性がどんなものなのか、知能や発達の水準を明らかにするための検査です。
簡単に言うと、
”得意なことと、苦手なことを探るテスト”のようなものです。
検査を受けるメリット
メリットは3つあります。
①他者と比較して、自分の特徴を知ることができる
たとえば、学校のテストで70点をとったとします。この70点という点数が高いのか、低いのか、一概には判断できません。
なぜなら、平均点が30点なのか、90点なのかによって、70点の意味が変わるからです。
検査を受けることで、一般的な水準と比較して、自分の状態がどうなのかを知ることができます。
②自分の能力の凸凹を知ることができる
たとえば、
英語のテストは90点だったけど、国語、数学、社会、理科は50点台だった。
この場合、Aさんは、英語が得意な傾向にあるといえます。
検査を受けることで、複数ある項目の中で、何が得意で何が苦手なのか、自身の傾向を知ることができます。
③生きやすくするためのヒントが得られる
たとえば、”指示したことをすぐに忘れてしまう”お子さん(Bさん)がいたとします。
Bさんは何度言っても教科書を出さないなぁ。
そんなとき、知能検査の結果があると、
Bさんは、耳から入った情報を記憶しておくことが苦手だから、忘れてしまっても分かるように、指示を黒板に書いておこう。
といったように、指導者(支援者)側が関わり方を変えることができます。
日々の生活がより快適になるような手立てを考えることができるのです。
WISK-Ⅳ(ウィスク-フォー)って何?
WISK-Ⅳとは
- “Wechsler Intelligence Scale for Children ー4th edition”(ウェクスラー児童用知能検査第4版)
- 世界で広く利用されている、児童用知能検査
- 適用年齢:5歳0ヶ月〜16歳11ヶ月
- 実施時間:60〜90分
- 10〜15種類の課題に取り組む
- 4つの指標と、それらを合わせた総合的な指標(全検査IQ)から個人の特性を評価する→それぞれが数値化される
4つの指標とは
以下の項目を示します。
- 言語理解
- 知覚推理
- ワーキングメモリー
- 処理速度
総合的な指標(全検査IQ)とは
全検査IQは、
全体的な知能能力を指します。
数値として表されるため、お子さんの発達が、全体のどの程度の水準に位置するのかを知る材料になります。
全検査IQ | 分類 | 割合 |
130以上 | 非常に高い → ギフテッド | 2.2% |
120〜129 | 高い | 6.7% |
110〜119 | 平均の上 | 16.1% |
90〜109 | 平均 | 50% |
80〜89 | 平均の下 | 16.1% |
70〜79 | 低い → 境界域※ | 6.7% |
69以下 | 非常に低い → 知的障害 | 2.2% |
WISK-Ⅳの4つの指標は、それぞれ何を測ってるの?
『言語理解』指標
”言語理解力や、言葉の概念を捉え、言葉を使って推論する力”
を測っています。
つまり、
言葉でコミュニケーションをとる力がどのくらいあるか、が分かります。
『言語理解』に関する困難と支援策
『言語理解』指標得点が低いお子さんは、
- 言葉を理解すること
- 言葉で表現すること
- 言葉を使って考えること
が苦手といえます。
支援策としては、
- 指示が伝わったかどうかを、その都度確認する
- 指示はできるだけ短く、シンプルにする
- 絵や図を使って指示を出す
などが考えられます。
鉛筆を1本出します。
筆箱を机の中にしまいます。
手を膝におきます。
『知覚推理』指標
”視覚的な情報を把握し推理する力や、視覚から得た情報に合わせて行動する力”
を測っています。
つまり、
見て考えて行動する力がどのくらいあるか、が分かります。
新しく得た情報への対応力や、新しい課題が生じたときの解決力にも影響する力です。
『知覚推理』に関する困難と支援策
『知覚推理』指標得点が低いお子さんは、
- 絵や図から情報を読み取ること
- 見通しを立てること
- 場の状況や、相手の表情を読み取ること
が苦手といえます。
支援策としては、
- 絵や図をシンプルなものにする
- 目的や作業手順を分かりやすく示す
- 場の状況や、相手の気持ちを分かりやすい言葉で伝える
などが考えられます。
ここは図書室です。
図書室は静かに本を読む場所なので、おしゃべりをしてはいけません。
『ワーキングメモリー』指標
”聞いた情報を一時的に記憶にとどめ、その情報を操作する力”
を測っています。
つまり、
聞いたことを覚えておいて、その通り行動する力がどのくらいあるか、が分かります。
ワーキングメモリーは、読み書き・計算などの学習能力や、集中力に大きく関わる、とされています。
『ワーキングメモリー』に関する困難と支援策
『ワーキングメモリー』指標得点が低いお子さんは、
- 集中して話を聞くこと
- 耳からの情報を一時的に記憶しながら処理すること
- 約束を覚えていること
が苦手といえます。
支援策としては、
- 話し手に注意を向けさせてから話す
- 物事に意味づけをして、覚えやすくする
- 指示を書き残す(メモをとる習慣を身に付けさせる)
などが考えられます。
テストがおわった人がやること
①かんじドリル P3
②かんじプリント 1まい
③どくしょ
『処理速度』指標
”視覚で得た情報を、素早く、正確に、順序よく処理する力”
を測っています。
つまり、
素早く正しく作業を進める力がどのくらいあるか、が分かります。
マイペースで切り替えに時間がかかるお子さんは、この指標得点が低くなる傾向があります。
『処理速度』に関する困難と支援策
『処理速度』指標得点が低いお子さんは、
- 見た情報を素早く処理すること
- 作業を時間内に終わらせること
- 集団に合わせて行動すること
が苦手といえます。
支援策としては、
- 課題の量を調整する
- タイマー等を活用し、視覚的に残り時間が分かるようにする
- 事前に次にすることを伝える
などが考えられます。
作品をつくる時間は、30分間です。
10:50になったら、途中でも片付けをします。
タイマーが鳴ったら片付けましょう。
→タイマーを30分セットする
まとめ
今回は、
【知能検査】WISK-Ⅳ(ウィスク-フォー)について書きました。
大切なのは、検査結果に一喜一憂するのではなく、強みを生かす視点でお子さんを見ることです。
もちろん、検査結果が全てというわけではありません。
目の前のお子さんが、何に困っていて、何を求めているのか、検査結果からヒントを貰いながら、支援していきたいと改めて思います。
発達障害の基本についての記事はこちら。
【凸凹のない人間はいない】
【より生きやすい毎日を求めて】
ぽにょ
コメント