こんにちは。ぽにょです。
「発達障害って何?」
「アスペルガーってよく聞くけど、どんな障害なのか分からない。」
「発達障害」という言葉だけが先行して、実際どんなものなのか分からないという方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、特別支援学級担任のぽにょが3つの発達障害について解説します。
発達障害の概要や、それぞれの障害特性について、できるだけシンプルにまとめました。
特別支援教育に携わる方の指導・支援のヒントになれば幸いです。
- 発達障害とは何か
- 発達障害の原因
- ASD(自閉症スペクトラム障害)の障害特性
- ADHD(注意欠如・多動性障害)の障害特性
- LD(限局性学習障害)
発達障害とは
発達障害とは、
- 先天性の脳の機能障害
- 平成16年に施行された「発達障害者支援法」から用いられるようになった用語
- 「ASD」「ADHD」「LD」などが含まれる
一昔前は、親のしつけや子育ての仕方が悪い、本人の努力不足が原因と言われていましたが、まったくもってそんなことはありません。
脳の発達が通常と異なっているために、特定の分野では非常に優れた能力を発揮する一方で、ある分野は極端に苦手といったことが生じます。このような得意なことと苦手なこととの差、凸凹は大なり小なり誰にでもあります。ただ、発達障害の場合、凸凹の差がとても大きく、そのために生活に支障をきたすことも少なくありません。
幼児のうちから症状が現れ、通常の育児方法ではうまくいかないことがあります。また、成長するにつれ、自分自身のもつ苦手な部分に気付き、生きにくさを感じることもあります。
しかし、発達障害はその特性を本人や家族、周囲の人がよく理解し、その子に合った方法で日常生活や学校生活を工夫することで、もっている本来の力を発揮できるようになります。
私も、その子のもつ特性をどう生かすかを考えながら日々の指導・支援にあたっています。
発達障害①:ASD(自閉症スペクトラム障害)
ASD(自閉症スペクトラム障害)は、
- 自閉症
- アスペルガー症候群
- 広汎性発達障害
の3つを総称した言い方です。
症状の強さに従っていくつかの診断名に分類されますが、本質的には1つの障害単位だと考えられています。
ASDの障害特性3選
- 人とかかわることが苦手
- 言葉でのコミュニケーションが苦手
- 興味に偏りがあり、こだわりが強い
①人とかかわることが苦手
- 目が合わない
- 空気を読むのが苦手
- 相手の気持ちを理解することが苦手
②言葉でのコミュニケーションが苦手
- 言葉の裏にある意味をくみ取ることが難しい →冗 談を真に受ける、お世辞が通じないなど
- 一方的に話をする
- 大人びた言葉遣いをする
③興味に偏りがあり、こだわりが強い
- 限定された興味に熱中する→電車の発車メロディーを記憶していて正確に歌える、恐竜の種類と特徴を丸暗記しているなど
- 極端な偏食
- 急な予定変更でパニックになる
発達障害②:ADHD(注意欠如・多動性障害)
人口調査によると、子どもの20人に1人、成人の40人に1人にADHDの症状が生じることが示されています。以前は男性(男の子)に多いと言われていましたが、現在では男女比は同程度に近付いていると報告されています。また、子どもだけでなく、大人になってからADHDと診断される人も多く、注目を浴びています。
年齢や発達に不釣り合いな行動が、学校や仕事、日常生活に支障をきたすことがあります。
ADHDの障害特性3選
- 不注意
- 多動性
- 衝動性
多動性は一般的には成長とともに軽くなっていく場合が多いですが、不注意や衝動性は半数が青年期まで、さらにその半数は成人期まで続くと言われています。
①不注意
- 注意力や集中力を保つことができず、じっと話聞くことができない
- すぐに注意がそれる
- 忘れ物が多い
②多動性
- 落ち着きがなくそわそわする
- 手や足を常に動かしている
- おしゃべりが止められない
③衝動性
- 思ったことをすぐに話す、行動する
- 外界からの刺激に、反射的に反応する→授業中に飛行機の音が聞こえたら気になって校庭に飛び出して行くなど
- 順番が待てない
発達障害③:LD(限局性学習障害)
知的能力には問題がないのに、読む、書く、計算する等の特定の事柄だけが苦手な状態です。
学業成績や日常生活に困難が生じ、学習に対して意欲を失ったり、自信をなくしたりすることがあります。
LDの障害特性3選
- 読字障害
- 書字障害
- 算数障害
①読字障害
文字を読むことが苦手
- 初めて出てきた語や普段あまり使わない語などを読み間違える
- 文中の語句や行を抜かしたり、繰り返し読んだりする
- 音読が遅い
- 文章の要点を正確に読み取ることが難しい
②書字障害
文字を書くことが苦手
- 読みにくい字を書く
- 独特の筆順で書く
- 漢字の細かい部分を書き間違える
- マスの中に字をおさめることができずはみ出してしまう
③算数障害
立式したり計算したりすることが苦手
- 学年相応の数の意味や表し方についての理解が難しい
- 簡単な計算の暗算ができない
- 計算するのにとても時間がかかる
- いくつかの手順を踏んで答えを求める問題が苦手
- 学年相応の文章問題を解くことが難しい
まとめ
発達障害は、先天性の脳の機能障害である。
①ASD(自閉症スペクトラム障害)
②ADHD(注意欠如・多動性障害)
③LD(限局性学習障害)
発達障害は、外見からは分かりにくいため、大人になっても気付かない人もいます。まずは、その子が、「困っている」ということにいち早く気付くことが支援の第一歩につながります。「何に困っているか」「何を求めているか」を見つけること、そして「どうすれば力を発揮できるか」「生き生き生きるためにはどんな支援が必要か」を考え続けていくことがとても大切だと思います。
発達障害をもつ子どもの支援方法のヒントを得られる【知能検査】WISC-Ⅳに関する記事も書いています。
【みんなが幸せに生きられますように】
ぽにょ
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