こんにちは、ぽにょです。
みなさんは、
”愛着障害”という言葉をご存知でしょうか。
教員をしているなかで、
この子愛着に課題があるかも…
と感じるお子さんに何度か出会ったことがあります。
そこで、今回は…
”愛着障害”とは一体何なのか、書いていきます。
- 愛着障害とは何か
- 4タイプの愛着障害について
- 愛着障害をもつ子どもの対応方法
”愛着障害”とは
”愛着”とは、
養育者(主に家庭)との情緒的な結びつきによって形成され、人を信頼できるようになったり、心理的な安心感を得たりすることができる、愛情の土台のようなものを指します。
そして、
”愛着障害”とは、
虐待などの理由で、養育者と子どもの間で愛情の土台が形成されずに、心や対人関係に問題が生じる状態を指します。
他にも…
両親が不仲だったり、親が怒りっぽかったり、忙しくて子どもの面倒は後回しだったりすると、愛着が十分に形成されずに、人の暖かさや居場所、安心感を感じられなくなることがあります。
愛着障害の種類
愛着障害には、2種類のタイプがあります。
①反応性愛着障害
人に対して、過度な警戒をするタイプ
②脱抑制型対人交流愛着障害
人に対して、過度に馴れ馴れしい態度をとるタイプ
4つの愛着スタイル
愛着は、生活環境により形成され、主に4つのスタイルに分けられます。
スタイル | 特徴 | 困難時の思考パターン |
安定型 | ・養育者との関係が最も安定している ・対人関係や社会生活において困難が少ない ・ストレス耐性が高く、バランス良い自己主張ができる | 一歩下がって物事を見ることができる |
回避型 | ・人に甘えることが苦手 ・自分の苦しさを伝えることができず限界まで我慢する | ・養育者が子どもに対して、無関心、拒否反応を示す事実と向き合って考えることを避ける |
両価型 | ・養育者の対応に一貫性がない ・周囲の顔色を伺い、過剰に愛情を求める ・承認欲求が強く、依存症になりやすい | 怒りや不安の感情に飲み込まれ、 視点を変えることができない |
混乱型 | ・養育者からの心身の虐待があった ・愛着が最も不安定である ・情緒面、行動面で問題を抱えやすい | 愛着の傷に関わることになると、 特に感情的になりすぎてしまい、 冷静な視点を失ってしまう |
愛着スタイルは、
安定型が約6割、回避型が約2割、両価型と混乱型がそれぞれ約1割と言われています。
愛着障害の子への接し方7選
私が実践したものをご紹介します。
①だめなことをしても、徹底的に寄り添う
「暴れるくらいつらいんだね。」
「叩きたくなっちゃったのか。」
「イライラしてるんだね。」
否定せずに、とにかく寄り添います。
「気持ちは分かるけど…」はNG。
”けど”だけが、その子の耳に残り、否定された気持ちになってしまいます。
②言葉遣いが悪くても、まったく気にせず話す
「育ってきた環境がその言葉を生んでいるということを理解してくれない大人と、関係性を築くことは無理」と判断されます。
”言葉遣いを指摘しない”
そこをクリアするだけで、「この大人ちょっと違うぞ。」と気になる対象になり得ます。
③罵声が飛んできたら、「覚えてくれてありがとう」
「こっち来るな!」
「出たな!ババァ!」
「お前」
「きもいんだよ」
等々…
バラエティーに富んだ言葉が飛んでくることも少なくありません。
激しめのあいさつの洗礼を受けます笑
『お試し行動』というものです。
罵声=仲良くなるチャンス
と、前向きに捉えましょう!
「顔覚えてくれてありがとう♡」と、余裕の笑顔で心に忍び込みます。
④「ありがとう」のシャワーを浴びせる
お試し行動が先にくるため、「ありがとう」を言われる機会が少ないお子さんが多いです。
人に感謝される心地よさを知ってもらって、「ありがとうって、ちょっといいかも。」と思ってもらいたいので、何かにつけて「ありがとう」を多用します。
⑤まっすぐ目を見て「ごめんね」と伝える
謝罪を受け入れる練習をさせます。
経験が少ないと、謝られたときにどうすればいいのか分かりません。
謝ってもらったときの気持ちを知ることは、自分が謝る第一歩につながると信じています。
⑥謝ることを強要しない
嫌なことをされても、謝罪を受けていない経験があるかもしれません。
対大人の場合は、「無理に謝らなくてもいいよ」と伝えたり、あえてスルーしたりします。
対子どもの場合は、その子の代わりに謝ります。
謝りたい気持ちはあるんだけど、上手に言えないから先生が代わりに謝るね。ごめんね。
謝罪する姿を見せることに意味があると信じています。
⑦小さい約束をして、絶対に守る
約束を守ることは、信頼に直結します。
「明日一緒に遊ぼうね」
「誰にも言わないでね」
「鶴の折り方教えてね」
「そこで見ててね」
何が何でも守りましょう!!
まとめ
愛着障害を抱えている子の指導は、
信頼してもらうことが第一条件です。
「ババァ!」が「先生!」に変わる頃には、
信頼してもいい大人の称号をもらえています。
時間はかかりますが、あの手この手で信頼の積み木を丁寧に積み上げていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ぽにょ
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